社会的な予防対策

社会的な予防対策

2023.06.01

ワークライフ・バランス(仕事と生活の調和)の推進

晩婚・晩産化という現象は、女性が働き続けることと、結婚して子どもを産み育てることとの両立が困難であるがゆえに、やむを得ず時期が遅れている傾向もあります。子どもを産みたくても産めない労働環境が原因で、結果的に加齢がもとでの不妊になってしまうような社会環境は改善していかなければなりません。
ワークライフ・バランスとは、仕事、家庭生活、地域生活などさまざまな活動を、みずからの希望するバランスで展開できる状態のことです。子どもを持ちたい人が、機会を逃さず産めるようにするために、仕事と子育てとを両立できるような社会を構築することが求められています。
しかしながら、子どもを産み育てやすい社会が、不妊に悩む人や子どもを持たない人の選択を阻むことがあってはなりません。これからの社会を考えていく上では、多様な個人を尊重する立場に立ち、「子どもの有無にかかわらず、あらゆる人が個々の生活を大切にしながら働くことのできる社会づくり」という視点が求められます。

「多様な生き方を認める」という視点にたった不妊予防教育

不妊予防教育を考える際にも、子どもを産み育てることが絶対唯一の価値観であるかのように受け取られることのないよう注意が必要です。なぜなら、不妊を予防することで不妊を減らすことはできても、不妊はなくなるものではないからです。不妊になることが悪いことであるかのようなメッセージは、不妊の悩みを深めることにつながります。
不妊の予防活動は、不妊に悩む人たちが、より生きやすい社会にするための活動も含まれます。それは「多様な生き方を認める」ことであり「子どもを産む、産まない、産めないに関わらず、誰もが自分の人生を有意義なものにすることができる」という意識を、広く社会に伝えていくことであるといえます。

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